社会保険労務士を目指すために労働関連法律をわかりやすく口語訳してみるブログ

労基法など、労働関連の法律をわかりやすく口語訳しています。 また、ワークライフバランスを考えて、働くこと、健康的で幸せな生活って何だろう? と考えを発信しています。

【労働基準法】第二章:労働契約。第十六条「賠償予定の禁止」

第十六条(賠償予定の禁止)

 会社は、働く人が雇う時の労働条件を守らなかったからって、違約金を請求するのはダメだし、金額を決めて損害賠償の請求をするような脅しをするのもアウトだよ!

 

【原文】

 

(賠償予定の禁止)

第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

 

出典:
厚生労働省 労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)
平成二十七年五月二十九日公布(平成二十七年法律第三十一号)改正
平成二十八年四月一日施行​​​

 

  この第16条って、条文自体は簡単なんだけど、ちょっとした引っ掛け的な内容を含んでるんだよねー。

 

 働く人がちゃんと働かなかった、労働条件を守らなかったからって、違約金を請求したり、違約金の規則を作るのはNG。これはそのまんま。

 

 問題は損害賠償の方。

 条文を見るとちゃんと書いてあるんだけど、

 「労働契約の不履行について損害賠償を予定する契約はダメ」

  ってこと。

 

 この

 この一文字があるかないかで、意味がめちゃくちゃ変わるんだよねー!!

 

 ったく、本当に細かくてわかりにくい……

 

 つまり、金額を決めてなければ、損害賠償を求める契約をするのはOKってこと。

 

 詳しく書くと、「働く人が労働条件を守らなかったり、会社に損害を与えた場合は(金額は決めてなくて、損害の程度によるけど)損害賠償をするからね!」って契約はアリ。

 

 最初にこの条文についての社労士試験問題を解いてたとき、

 「使用者は、労働契約の不履行について、労働者に対し損害賠償を請求してはならない。」

 って設問の答えが「誤り(×)」なのか、わけわかんなかったよ…

 

 金額を決めたらダメだけど、実際に被った損害の金額を請求するのはOKってことだけ、要注意な条文です。